お寿司の中でも一般的な「握り」のスタイルは、江戸時代に確立されたと言われています。
東京湾で水揚げされた新鮮な魚介を、屋台の様な店構えで職人が素早く捌き、立ち食いスタイルで提供する寿司屋が一般的だったそうです。
現代のお寿司といえば「回転寿司」と「回らない寿司」に分類され、「回らない寿司=高級」という印象が定着し、回らない寿司はマナーを心得ていないと行きづらい場所といったイメージもあります。
回らない寿司では食べる順番や食べ方がマナーとして存在するのか、気になっている人も多いかと思います。
食べ方や順番に関して明確なルールやマナーは存在しませんが、お寿司を美味しく食べるために最適な順番はあります。
今回は「お寿司を食べる順番」をテーマにより美味しく食べる方法を解説します。食べる順番の一例や順番以外に意識するべきポイントも解説していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
和食やフレンチのコース料理を食べた事がある方はイメージが湧きやすいと思いますが、
コースの初めにお肉料理が出てくることはまずないかと思います。
これはお客様に全ての料理を「美味しい!」と感じてもらうための大切な配慮なのです。
最初に味が強く脂がのった食材を食べてしまうと口の中に脂が残り、味覚が鈍ってしまいます。
「さっぱりした食材(淡白)→ 味が濃い食材(脂の強い)」という順番が、全ての料理を美味しいと感じる食べ方と言えます。
お寿司にも同じことが言え、ネタによって味が異なりますので、食べる順番で美味しさは変わってくるのです。
「さっぱりした食材(淡白)→ 味が濃い食材(脂の強い)」という食べ方が、料理を美味しいと感じる食べ方だと解説しました。
ではお寿司をこれに当てはめると、どのようなネタから順番に注文していくのが良いのか考えてみましょう。
まずはさっぱりとしたネタと味が濃いネタ、旨味が強いネタで分類してみます。
【さっぱりしたネタ】
●白身(タイ・ヒラメ・スズキなど)
●イカ
●コハダ
●巻き物(かっぱ巻き・かんぴょう巻きなど)
●玉子
【味が濃い(脂が強い)ネタ】
●トロ
●穴子
●ウニ
●イクラ
【旨味が強いネタ】
●海老
●赤身
●マグロ
●貝類
一般的に言われている美味しい食べ方は、「さっぱり系のネタ→味が濃い(旨味が強い)ネタ→脂が強いネタ→巻き物」という順番です。
では実際に食べ方の一例を挙げてみましょう。
「白身→貝類→マグロ→イクラ→ウニ→玉子→イカ→海老→トロ→コハダ→穴子→かっぱ巻き」
あくまで一例ではありますが、この食べ方について解説してみます。
まずは白身でさっぱり、淡白なネタからスタート。
貝類と続き、徐々に旨味が強いマグロやイクラ、ウニと食べ進めます。
その後、一旦口の中をリセットする為に玉子を挟みます。
この間に汁物や茶碗蒸しなどをお好みでオーダーしてみても良いかもしれません。
再び握りに戻って、まずはイカから始まり旨味の強い海老。
いよいよ終盤が近づいてきたら、トロを頂きます。
ここで脂が強いネタを頂いたので、お酢で締めたコハダを挟み、口の中をさっぱりさせて
次のネタを美味しく味わえる準備を整えます。
この後は穴子、最後はかっぱ巻きで締めくくります。
いかがでしょうか?
ネタの長所をしっかり味わえる順番と言えるでしょう。
お寿司を美味しく食べる方法は食べる順番以外にもあります。いくつかのポイントを紹介します。
【醤油の付け方】
ネタ本来の味を損なわないように、醤油はつけ過ぎないように注意しましょう。
またシャリではなく、ネタに向けて少し付ける程度が良いです。
【ガリの使い方】
ガリの存在はとても大切で、味の濃いネタや脂の多いネタの後に口の中をさっぱりさせる役目があります。
さっぱりさせる事で次のネタの美味しさをしっかりと感じる事ができるのです。
【わさびの使い方】
わさびは醤油に溶かすのではなく、ネタに少し添える程度です。
醤油に溶かしてしまうとわさびの味が際立ち過ぎるため、ネタの美味しさが味わいづらくなってしまいます。
【ネタを下にして食べる】
ネタを下にして食べると、ネタを一層味わえます。
醤油はネタに付けるので、醤油が付いていない部分から食べると尚良いでしょう。
お寿司の美味しい食べ方については、以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方は読んでみてください。
今回はお寿司を美味しく食べる順番について解説しました。本来はあまり考え過ぎずに自由に好きなネタを食べるものですので、あまり深く考えて食べるのはおすすめしません。
ただ食べる順番を少し知っていると、より美味しく食べられ、次はどのネタを食べようか?と考える楽しみも加わります。
東京都内を中心に高級寿司の食べ放題を提供している雛鮨では、約60種類のネタをお楽しみいただけます。
食べる順番を意識してみたり、心ゆくまで好きなもの食べてみたり色々な楽しみ方ができますので、ぜひ一度召し上がってみてください。